オフライン関連ではないのですが…。
数年前に逆キリバンを踏んで某素敵オウガサイトの管理人さんからリクを頂いたお話をいまさらこっそりUPです。
全部書きあがったらサイトにお邪魔して平伏して献上しようと思いつつ、プロットを書いてから少なくとも二年くらい経過しているいわくつきの短編だったり…(滝汗)。
「アクロースさんお誕生日おめでとうございます!」
「はいっ、これ俺たちからのプレゼント。」
「今年こそ、手ごろな男を捕まえられるよう祈っとるわ。」
「まあ、死なずにここまで来れたことは祝うべきだな。」
「あら?何をしてるの、『死神』のみんなってば。」
通りすがりのジュスティーヌは、目の前の光景に首を傾げました。死神『プリンセス』のアクロースの周囲に、他のユニットたちがまるで樹液に群がる虫のように集まっています。
「ああ、そういえば今日はアクロース殿の誕生日だとディケンズが言っていたな。」
返事をするのは横を歩いていたトリスタンです。やや的外れな質問だなと感じながらも、皇子は深く気にすることなく返事をしました。
「えっ?どうして誕生日なんかを祝うの?」
「いや、どうしてと訊ねられても…。この世に生を受けた特別な日を、親しい人々と祝うのはごく自然なことではないのかな?」
言ってから、トリスタン皇子はしまったと思いました。ジュスティーヌが「へえ、そうなんだ…。私、一度も誕生パーティなんて体験したことないから。」なんて呟いたからです。
そういえば彼女はラシュディの予言のせいで、生まれてこのかた肩身の狭い思いをして、約20年も息を潜める日陰者人生を送ってきたというではありませんか。
トリスタン皇子はそんなジュスティーヌのことをけっこう不憫に思いました。
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